#ななのこと を終えて。
2019年2月23日~24日、西野七瀬さんの乃木坂からの卒業を記念して、有志が集い企画したイラスト展示会、「ななのこと」が催されました。
私はその中でディレクション、ロゴを起点としたアートディレクションを担当しました。
キービジュアルであるスケッチブックは、「イラスト展示会」「絵が好きな西野七瀬」「帰り道MVのラストシーン」「伝えたいこと」「記録」といったあらゆる意味が重なって、ロゴとしてひとつの答えに辿り着きました。
このスケッチブックはアイコン、ヘッダー、フライヤーといったアカウントブランディングや、スタッフ腕章、テーマボード、キャプションボード、段ボール、ロゴポスターといったビジュアルプロダクトへと展開。
今回は展示会自体のクオリティをかなり重視していたので、魅力的なデザインにするというより、作品の邪魔にならず、出来るだけシンプルに、当たり前のことを積み上げていくことを意識しました。
これほどの量のデザイン作業をいっぺんにやるのは初めてで、不安もありましたが、なんとかやり遂げることが出来ました…ホッとしたー…
さて、有志による卒業企画というものに参加したのは今回で4回目。
伊藤万理華さんの脳外博覧会、生駒里奈さんのまんなか展、若月佑美さんの卒業記念本canvas、そして西野七瀬さんのななのこと。
企画をやるにつれ、徐々に重要なポストに置いてもらうことが増え、いまや展示会すべてのグラフィックデザイン、言わばアートディレクションまでさせて頂けるようになりました。
これらの企画はメンバーの卒業発表からカウンター的に企画が発生し、終了を卒業と同じタイミングに重ねることが大半になっているので、そのどれもが時間の制約が厳しい状況からスタートします。
今回も友人である主催のどいや【公爵】の招集を受けたのが開催の1ヶ月前、イラストとロゴとディレクションの依頼でした。
ここまでのレベルの企画を誰かとやるというのは確実に問題や障壁が発生します。
それが仕事としての間柄なら問題無いんですが、趣味の繋がりによる友人たちとの企画ですから、下手をすれば仲が悪くなり、最悪だと縁が切れてしまう可能性もあります。
だから私は覚悟をしました。
何がなんでも成功をさせる。
何がなんでもやり抜く。
それが情熱を持つ彼が私に頼んでくれたことの重さに対するカウンターであると。
実際、当初はロゴだけだったものが、途中で周囲にデザインが出来る人間が少なすぎると気づき、気がつけばデザインを全て手がけることになりました。
走り続けた1ヶ月、どこもかしこもヤマの連続でずっと大変でしたが、楽しかったです。
前述した通り、卒業企画に参加したのは今回で4回目。
どれもメンバーの卒業発表から企画の発想がスタートしますが、そう上手くは進みません。
卒業という事実をファン側が受け入れること自体にすごく時間がかかったりしますし、そこで企画の根幹を考えなければならない、という状況です。
ここをクリア出来なければいけないという、ある意味こういう企画の最大のヤマがこのスタートラインにあるのかもしれません。
そもそもこういう企画は仕事ではないので、別にやる必要はない。
あくまで趣味の一環。
それでも、卒業というものに対する虚無感、ここで何かを返したいという想いが、各企画の主催にあった気がします。
以前こういう状況に対して、canvasとななのことで一緒に企画をやった編集担当のモモと話し合ったことがあります。
「卒業企画という形だから色々無理が出てくる。だったらメンバーの在籍中に何かファンとしてのひとつの答えを提示する企画をやった方がいいんじゃないか。」
48、46といった秋元康アイドルを筆頭とした「処女性」のようなものをひとつの売りにしている現代の女性アイドルというのはあまりに短命。
本来ならばそんなに早く卒業しなくてもいいはずだと思うのですが。
でもファンには、そんなことどうしようもない。
アイドルじゃないから。ただのファンだから。
ならば、何かをやるならば、今から考えなければならない。
いつ誰が卒業するかなんて誰にも分からない。
もちろん何もしないというのもひとつの答え。
まさにこの今から、考えたい。
妙に急かされる気もするのは嫌気が差す。
そろそろ「卒業」から卒業したい。